『ボトルネック』を読んだ感想

米澤穂信作の『ボトルネック』を読みました。本の紹介欄に「青春小説の金字塔」なんて書かれていたため、爽やかなミステリー小説と思って読んだのですが、読了するとそれは良い意味でも悪い意味でも見事に裏切られた気持ちになりました。

主人公は高校1年生の男の子です。不慮の事故により亡くなった恋人の弔いのため東尋坊を訪れます。その東尋坊でこの主人公は崖から落ちてしまうのですが、無傷のまま自分の地元で目を覚まします。そこは自分の代わりに、生まれるはずのなかった姉が家族とともに暮らしているパラレルワールドだったというあらすじです。そこから物語は展開していくのですが、姉が生きている世界と自分が存在する世界の差に愕然としていきます。

正直、ミステリーというよりも最後はホラーのようなゾクっとする怖さがありました。ミステリーとしても、序章からの最後までちゃんと伏線が生きていて面白いのですが、それよりも人ってけっこう残酷なのね、と思わせるところがあります。いや、作者が残酷なのかもしれません。

ラストは、読者に展開を想像させるように終わっています。よって、バッドエンドと解釈する人もいればそうではない人もいるでしょう。どちらかと言うとバッドエンドの嫌いな私はそう思いたくないけど、終盤の数行に意味深な表現があるので嫌な展開を連想してしまいます。

青春時代の嫌な自意識を見せつけられるような気になりますが、物語としては面白いです。でも、人によって好き嫌いはわかれるかもしれません。