ロジ・コミックス ラッセルとめぐる論理哲学入門

数学、論理学、哲学なんて、私になんか縁遠い話し。でも気になって横目で見ていた分野の漫画がグラフィックノベルとして出版され、世界各国で話題になっていると知り、そんなに多くの人が読んでいるのなら、私でも理解できるんじゃないかと思い切って購入して読んでみました。

20世紀を代表する数学者であり、哲学者、論理学者でもある英国人のバ-トランド・ラッセルの人生を中心に、数学や論理学の発展、そして限界を描いています。情熱と狂気は表裏一体なのだと、何かを極めて行くには、これほどの情熱が必要なのだと、当代きっての学者たちの交流や活躍に胸躍らせました。しかしこれほどの頭脳を持ち合わせた天才たちの狂気と紙一重の一面。実際に周囲にいた人たちや家族にはさぞかし堪らなかったでしょうが、読み手としては魅せられました。

何がそんなに彼らを駆り立てるのか、残念ながら私の頭では分かりえないのですが、論理学や数学、これらの学問は果てしなく深く、人生を賭けても良い魅力があるようです。本題は、理解の及ばないところ多々ありましたが、天才たちの学問を探求して行く姿勢には共感を覚えると共に、とても羨ましく感じ、惹き込まれている自分がいました。

これほどの天才たちが跋扈していた時代、戦争もあった時代が平行して描かれていたのも、物語に厚みを加えていたように思います。ほかに、天才達の私生活の部分も非常に興味深く読みました。制作スタッフの雑談や体験も随所に盛り込まれているのも、この手の分野の書には今までになかったタイプではないでしょうか。

これほどにのめり込める事を得られ、人生を捧げた巨人たちの物語。その代償とも私には思えるのですが、狂気を伴った人生。私生活では、幸せとは言えなかったようですが、これはこれで幸せな人生だったのではないでしょうか。